【史跡】前山百体観音について掘り下げる

観光情報

栂池高原には史跡「前山百体観音」があります。

塩の道沿いにあり、百体近い石仏がずらりと並び、静謐な雰囲気を醸し出しています。隠れたパワースポットです。

何となく、あることは知っているという方も多いですが、具体的に前山百体観音とはどのようなものなのでしょうか?

前山百体観音とは

江戸時代後期に、観音巡礼のために栂池高原の前山という場所に集められた石仏群です。西国三十三所、坂東三十三箇所、秩父三十四箇所の合計百か所の霊場の観音を1か所に集めた全国的にも珍しい場所です。実際には数体は別の場所にあり、百体は揃っていません。

昔は観音巡礼をすることができるほどの、金銭的にも時間的にも余裕のある人は少なかったため、こうして1か所に観音を集めることで、一般庶民にも百か所を巡礼したのと同じご利益が得られるようにしたそうです。

かの有名な高遠石工の作だと言われています。

西国三十三所とは

日本最古の観音霊場で、和歌山県、大阪府、奈良県、京都府、兵庫県、滋賀県、岐阜県にまたがっています。2019年5月に日本遺産に登録され、観光地としても注目を浴びています。

西国三十三所 巡礼の旅

坂東三十三箇所とは

神奈川県、埼玉県、東京都、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県、にかけてある33か所の観音霊場。

源頼朝によって発願され、源実朝が西国の霊場を模範として札所を制定したと伝えられている。第一番札所の杉本寺から第三十三番札所である那古寺までを巡拝すると、その道程は約1,300キロメートルにもなる。巡礼者は全ての札所を巡拝(結願)すると、善光寺および北向観音に「お礼参り」をすることが慣わしとされている(上記2寺を参拝して結願とする場合もある)。お礼参りの始まりは江戸時代とされる。また、西国三十三所秩父三十四箇所と併せて日本百観音といい、その結願寺は秩父三十四箇所の三十四番水潜寺となる。

出典:Wikipedia
坂東三十三観音 公式サイト
鎌倉時代初期に開設された坂東三十三観音。...

秩父三十四箇所とは

埼玉県秩父地方にある34か所の観音霊場のこと。

トップ :: 秩父三十四所観音霊場

高遠石工とは

江戸時代に活躍した、南信州高遠出身の石工集団。日本版フリーメイソンです。
守谷貞治(もりやさだじ)が有名。稀代の名工と呼ばれています。石工の多くは農家の次男以降の男子。農閑期に石工として旅稼ぎをしていたと言われています。

彼らもこの地で石を彫ったのでしょう。百体観音を見ていると、200年以上前の物とは思えない精巧な作りをしています。突出した技術の高さが伺えます。

前山百体観音の写真を掲載します

今まで撮りためた、前山百体観音の写真を一部掲載したいと思います。

それぞれ表情が違って趣がありますね。どの石仏も伏し目がちで優しい表情をしています。石仏の上部に番号が刻まれています。

以上、前山百体観音についてご紹介しました。栂池高原を訪れる際の、参考になれば幸いです。

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